症状の緩和が期待できる飲み物
お茶には、抗酸化作用や抗炎症作用があるとされるポリフェノールがたくさん含まれています。花粉症の症状緩和が期待できるお茶を、毎日の生活のなかに取り入れましょう。
お茶(緑茶)
緑茶に多く含まれるカテキンには、アレルギー抑制効果があるとされています。
カテキンは植物の色素成分であるポリフェノールの一種で、抗酸化作用があることが知られていますが、アレルギー情報を伝達する物質の生成を抑える作用が確認され、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を抑える働きもあるのではないかと考えられています。
なかでも、「べにふうき」「べにふじ」「べにほまれ」という緑茶の品種には、抗アレルギー作用のあるメチル化カテキンが多く含まれています。
メチル化カテキンは加熱しすぎると減ってしまうので、設定された加熱時間を守るのが効果を引き出すポイントです。
甜茶(てんちゃ)
ほのかな甘みのある薬草茶全般を甜茶といいます。「甜」という字には「甘い」という意味があります。
甜茶のなかでも花粉症に効果があるとされるのは、バラ科の植物「甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)」の葉で作られるお茶です。甜茶ポリフェノールが、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を抑えるとされています。
紅茶
紅茶にもカテキンが豊富に含まれ、緑茶と同様の効果が期待できます。
ほかに、ウーロン茶にもカテキンが含まれています。
ルイボスティー
ルイボスティーには、フラボノイドというポリフェノールが非常に多く含まれています。ほかのポリフェノールと同じくフラボノイドも抗酸化作用が強く、アレルギー疾患の改善が期待できます。
アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を抑える作用がありますが、即効性はありません。毎日の習慣として飲むのがおすすめ。
カフェインが含まれていないため、夜に飲んでも睡眠に影響しないこともルイボスティーのよいところです。
ハーブティー
ハーブには、抗酸化作用の高いポリフェノールを豊富に含むものが多く、とくにレモンバームに含まれるロズマリン酸は、抗酸化作用や抗炎症作用が確認されています。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を抑える作用があるといわれています。
フラボノイドを多く含み、くしゃみや鼻みず、目のかゆみを和らげるエルダーフラワーティーや、鼻づまりや涙目に効果があるとされるネトルティー、炎症を予防し、粘膜を保護するとされるローズヒップティー、粘膜を保護し鼻の通りをよくするペパーミントティー、リラックス効果のあるカモミールティーなども、花粉症の人に人気があるハーブティーです。
コーヒー
コーヒーに含まれるクロロゲン酸というポリフェノールが、鼻炎症状のなかでもくしゃみに対して効果がみられたという研究論文があります。この研究によると、アレルギー鼻炎の予防効果と、症状改善効果があったとのこと。
ただし、即効性があるわけではありません。
乳酸菌飲料
善玉菌として知られる乳酸菌。腸内細菌のバランスを整えていますが、免疫機能にも深く関わり、花粉症の症状を改善する効果も期待できることがわかってきました。
乳酸菌飲料を、花粉の飛散が始まる4週間くらい前から毎日飲むと、とくにシーズン初期に症状改善効果がみられるというデータがあるので、早めに飲み始めるのがよいようです。
花粉症のときに避けたい飲み物
花粉症の症状を悪化させる飲み物を、そうとは知らずに飲んでしまって大後悔!ということにならないように、花粉症シーズンは気をつけましょう。
アルコール類
アルコールには血管を広げる作用があり、そのために炎症を悪化させてしまうことがあります。お酒を飲むと、鼻づまりや目の充血などの症状が強くなるので、花粉症の症状がつらいときは、お酒を控え目に。また、アルコールが体内で分解されるときに産生されるアセトアルデヒドという物質には、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を促す作用があるため、くしゃみや鼻づまりも悪化します。花粉症シーズン中はできるだけ飲酒を控えることをお勧めいたします。花粉症シーズン中の外でのお花見の際は、とくに要注意ですね! 花粉の防御とともに、お酒もほどほどにお願いいたします。
牛乳
牛乳が花粉症などのアレルギー疾患を悪化させると一部でいわれていますが、牛乳と花粉症の関係を示す科学的根拠はありません。ただ、牛乳を1日1ℓも飲むなど乳製品をとりすぎている場合は、牛乳・乳製品をやめると花粉症が改善することがあるようです。
牛乳が花粉症を悪化させるのは、牛乳に含まれるたんぱく質のカゼインが胃酸や酵素の働きで固まるためともいわれていますが、カゼインはいったん固まっても、そのあとちゃんと消化されるので心配する必要はありません。